「なぜ?」という問いの使い方で有名なのは
トヨタの品質改善の取り組みで
「なぜ?」を5回繰り返すというものがあります。
「なぜ?」を掘り下げることで、真の要因を探ることができます。
一方で
不満や怒りの感情が入ったときに使われる「なぜ?」は
あまり良いことがありません。
部下が遅刻をしてきたときに
叱責の意図を込めて
「なぜ遅れたのか?」と問いかけたときになにが起きるか。
理由が寝坊であったとしたら
なぜ寝坊してしまったのか
なぜ決まった時間に起きることができないのか
なぜ目覚ましをかけることができないのか
なぜ睡眠を十分にとるためになぜ早く寝ることができないのか
上司はこの部下の生活態度を改めようとして
このような問いかけをしますが
実際はあまり効果的ではありません。
問われているほうは
怒られていると思っているから
とにかくなんとかこの場を切り抜けたいと思っています。
そうなると出てくる答えも
本質的な改善につなげるというよりも
問い詰められているこの時間を一刻も早く終わらせるための
答えを絞り出さざるを得ないのです。
また、相手が答えられなくなるまで
「なぜ?なぜ?」と問い詰める行為はパワハラとされる可能性もあります。
「なぜ?」はトヨタの事例のように
使い方によっては、大きな効果がありますが
自分の怒りやストレスを伝える手段になってしまうと
良い結果にはなりません。
なぜ?を使うときは
「いま起きている問題を一緒に考えよう」という姿勢を
相手に対して明確にすることで
お互いの信頼関係を作ることが大切です。
自分自身を知る | コーチ探せる
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